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IP-PBXの基礎知識

IP-PBXの導入を検討するにあたり、知っておくべき基礎的な事柄をまとめました。
目次
- 1.「一般電話」と「ビジネスフォン」の違い
- 一般電話とは
- ビジネスフォンとは
- 2.PBXとは
- PBXの機能
- 3.IP-PBXとは
- IP電話端末を通話に使用する
- IP-PBXには2つのタイプがある
- 各拠点が内線でつながる
- 4.まとめ
「一般電話」と「ビジネスフォン」の違い
「一般電話」とIP-PBXを含めた「ビジネスフォン」では、それぞれ用途に適した特徴があります。例えば、前者は電話機1台につなげる外線が1つに限定されますが、後者なら複数の外線を接続させられるといった違いがあります。
一般電話とは
家庭などで使用される固定電話のことです。NTTなどの電話局から引かれた電話線を電話機本体に直接つないで使用します。
一般電話の場合、電話機1台に対してつなげる電話回線は一つだけです。そのため、通話やFAXで回線を使用していると、その間ほかの発着信を行うことができません。つまり、電話機の台数に応じた電話回線数が必要になります。
ビジネスフォンとは
会社のオフィスなどで使用される電話システムの総称です。一般電話とは異なり、多くのファンクションキーや内線用のボタンがついた多機能電話機が用いられます。複数の内線と外線を使い分けられるほか、保留転送や同時着信などを行うことが、一般電話にはない特徴です。
ただし、一般電話のように電話機本体に直接電話線をつないでしまうと、特定の外線を複数の電話機で使用できなくなるため、「複数回線の集約」「各電話機への着信の振り分け」「電話同士の内線通話」などを実現するシステムが必要になります。これを可能にするのがPBX(構内交換機)です。
PBXとは
PBX(Private Branch eXchange)とは、社内電話網を構築するためのシステムのことです。日本語では「構内電話交換機」「構内交換機」などと訳されます。複数の電話機を使用する会社などに設置され、内線通話や外線からの発着信制御を可能にします。
PBXの機能
PBXには主に以下のような機能があります。
- 会社内に敷かれた複数の電話回線を集約する
- 代表番号への着信を決められた電話機に転送する
- 外線の発着信を制御する
- 会社の電話機同士で内線通話を可能にする
- 複数の外線番号を特定の電話機に紐付けて着信させること(ダイヤルイン)ができる
従来のPBX(レガシーPBX)は、電話を使用する拠点ごとに設置されるME(主装置)が着信の制御などを担っており、アナログ回線の接続が一般的でした。現在はIPネットワークを利用する「IP-PBX」が普及しつつあります。
IP-PBXとは
IP-PBX(Internet Protocol Private Branch eXchange)とは、IPネットワーク上でIP電話端末の回線交換を行う装置(ハードウェア)やソフトウェアの総称です。外線の着信制御や内線通話など、IPネットワーク上でPBXの機能を発揮します。
IP電話端末を通話に使用する
IP-PBXではIP電話機(固定電話機)のほかに、パソコンに電話画面を表示し使用するソフトフォンや、専用アプリやFMCサービスの利用によりスマートフォンを内線端末として使用できるものもあります。これらの端末はレガシーPBXのように電話線をつなぐのではなく、インターネット回線を通じて音声データを送受信するため、社内LAN接続によって通話を行うことができます。
※レガシーPBXでIPネットワークに接続する場合は、IP機能を持たない電話機とネットワークを接続するための「VoIPゲートウェイ」という装置が必要です。
IP-PBXには2つのタイプがある
IP-PBXには「交換機ベース」と「サーバベース」の2タイプがあります。
前者はハードウェア(電話交換用の専用機器)が必要となりますが、後者は会社の汎用サーバに専用のソフトウェアをインストールすることで利用できます。
各拠点が内線でつながる
IP-PBXの場合、従来のPBXのように主装置を拠点ごとに設置する必要がありません。支社などの各拠点がIPネットワークで接続されていれば、単一のIP-PBXで他拠点と内線でつながることが可能です。
このほかにも、IPネットワークの利用やソフトウェアの性質などから、レガシーPBXにはない特徴を備えているものもあります。
- パソコンと連動させることで、通話履歴の閲覧や通話の録音が可能になる
- ソフトフォンとUSBヘッドセットを導入することで、固定電話機が不要になる
- 電話機を移動する際、工事が不要でLANケーブルの差し替えで済む
- 設定変更や電話業務のデータにWebでアクセスできる
まとめ
IP-PBXの導入を検討する上で知っておくべき事柄を簡潔にまとめました。
「拠点ごとに主装置を置く必要がない」「LAN接続だから電話線工事の必要がない」などの特徴から、IP-PBXはレガシーPBXと比較して導入コストが低くなっています。拠点の増設を計画している会社などは特に検討すべきシステムといえるでしょう。
IP-PBXは規模や使用できる端末が従来に比べて幅広くなっています。まず基礎知識を身に付けてから検討することをおすすめします。
カテゴリ:IP-PBXの基礎