IP-PBXとSIPサーバの違い

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IP-PBXを構成する要素には、ソフトウェアやハードウェア、電話機といった分かりやすいものがありますが、一方でシステムの制御やプロトコルなど、区別をしにくいものも存在します。

ここではIP-PBXとSIPサーバの違いを説明します。

目次

IP-PBXとSIPサーバ

IP-PBXとは

PBX(構内交換機、Private Branch eXchange)とは、会社の内部(Private)に、外線からの電話を振り分ける(Branch)ための交換システム(eXchange)です。オフィスでは家庭用の電話と異なり複数の回線、通話を利用するため、PBXを設置して着信や通話の制御を行う必要があります。

このうち従来の電話線(アナログ回線やメタル回線)ではなく、インターネット回線(IPネットワーク)上でIP電話機への着信などを制御するものがIP-PBXと呼ばれます。インターネット回線を使うことによりチャネル数(通話数)が無制限になり、IP電話機とは装置を介さず直接接続できます。
従来のPBXは大型の主装置が必要でしたが、IP-PBXは小型化したハードウェア、物理的な装置のないソフトウェア、インターネットを通じてサービスを提供する形態(クラウド)などに分かれています。

IP-PBXについて詳しくは「IP-PBXの基礎知識」「3分でわかるIP-PBX」で解説しています。

SIPサーバとは

SIPについて

SIP(Session Initiation Protocol)とは、IPネットワーク上で音声通話を利用する際、発着信や応答などの通話制御(呼制御)を行うプロトコル(通信規約)の一つです。IPネットワーク上の通話では、音声データがデジタル化され、細かいパケットに分けられて送信されます。この役割を担う伝送プロトコル、RTP(Real-time Transport Protocol)で音声パケットの通信を実現するために、SIPによる呼制御が必要となります。

SIPサーバとは

SIPを利用する通話で、電話番号やIPアドレス(ネット上の住所)などの記録・検索や、IP電話サービスの管理を行うサーバです。SIPはインターネット上の利用を前提とし、電話の端末同士が直接通信することを目的としています。

端末のインターネット上の情報を認識し、端末同士が直接通信を始めるまで、SIPサーバが活躍します。IP-PBXでこの仕組みを利用する場合は、SIPの端末=電話機になります。

SIP端末(=電話機)が起動すると、電話番号・IPアドレスの情報がSIPサーバに送られます。SIPサーバはデータベースに情報を保管し、ほかの電話機から電話番号を指定された発信を受けたときに、検索して対応するIPアドレスへ発信を転送します。
着信した電話機は応答メッセージをSIPサーバに送り、SIPサーバが発信した電話機に取り次ぎます。最終的に、SIP端末同士(両方の電話機)がSIPサーバを介さず直接音声通話をします。

SIPを扱っているIP-PBXでは、SIPを汎用サーバに実装してソフトウェアとして利用するものと、SIPサーバを搭載したハードウェアを利用するものがあります。SIPはIPネットワーク上の稼働を前提にした、IP-PBXの機能を発揮しやすい、シンプルで拡張性の高いプロトコルとして有力視されています。

IP-PBXとSIPサーバの違い

IP-PBXは、従来のPBXが電話線上で行っていた発着信の制御(電話交換)などを、IPネットワーク上で行う電話交換システムです。IP-PBXができることは、発着信の制御に始まり、保留・転送、通話記録・録音、ダイヤルイン、代理応答、通話モニタリング、PC連携、ソフトフォン使用、他拠点/スマホ内線化など、従来のPBXができなかったことも含め多岐にわたります。IPネットワーク上でスムーズに稼働するためには、それぞれの機能に適したプロトコルが必要です。そのため、IP-PBXが行う制御にはSIPが用いられることがあり、電話機もSIP対応の機種になります。

SIP(サーバ)は電話交換に限らず、IPネットワーク上で電話サービスを実現するために開発されており、従来の電話線のネットワークのような複雑な制御を行いません。そのために拡張性が高く、機能の追加や設定変更を柔軟にできることが特徴のIP-PBXと、相性の良いプロトコルです。

インターネットを介した音声通話などで用いられるプロトコルはSIPだけではありません。また、電話交換そのものを担うIP-PBXと違い、電話システムでSIPを用いていない場合でも、電話が使えなくなることはありません。
しかし、IP-PBXにSIPが用いられることで、IPアドレスではなく電話番号の情報での発着信が容易になるなどの利点があります。

まとめ

IP-PBX導入を検討する際に、コスト面が最大の条件と考えられるケースも多いのではないでしょうか。さらにIP-PBXを構成する一要素である、拡張性の高いプロトコルにも着目することで、よりオフィスに適したIP-PBXの選定が可能になるかもしれません。

カテゴリ:IP-PBXの基礎

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