3分でわかるIP-PBX

  • はてなブックマークに追加

オフィスの電話業務に欠かせない存在であるPBX。小型化やソフトウェア化の波が押し寄せているのは、電話システムも例外ではありません。

これからのオフィス環境改善には必須といえる、「IP-PBX」の基本事項をまとめました。

目次

PBXとは?

PBX(構内交換機、Private Branch eXchange)とは、会社の内部(Private)に、外線からの電話を振り分ける(Branch)ための交換システム(eXchange)です。電話回線と通話数がそれぞれ一つである家庭の電話と異なり、オフィスでは複数の電話回線を使用し、同時着信や内線通話・転送も行います。そのため、家庭のように直接電話線を引くのではなく、PBXを設置して着信や通話の制御を行う必要があるのです。

従来、会社に電話交換を担う主装置を置いての利用が一般的で、PBXは「構内交換機」や「構内電話交換機」と訳されています。会社に大きな主装置が設置され、電話工事や配線の接続は専門の業者に依頼する必要があります(電気通信事業法第71条)。ところがIP技術の活用で、音声通話にインターネット回線を利用し、主装置が小型あるいは存在しないPBXが登場し、導入する企業が増えています。

IP-PBXとは?

IP電話について

IP(Internet Protocol)とは通信ネットワークを接続し、データの伝達を行ってネットワークを構成する通信プロトコル(通信を行うために定められた手順)のことです。IP電話はこれを利用した電話サービスで、インターネット回線を使うことによりチャネル数(通話数)が無制限になり、料金も全国一律となっています。従来のアナログ・デジタル回線は一度に増やせるチャネル数が決まっていて、遠方の通話料金が高くなるため、IP電話は割安なサービスといえます。課題だった音声通話の質も改善されつつあります。

IP-PBXについて

IP-PBXとは、インターネット回線(IPネットワーク)上でIP電話機への着信などを制御するPBXです。インターネット回線とそれに対応したIP電話機をつないでいるため、IP-PBXはハードウェアを有するものとソフトウェア型に形態が分かれています。さらにサーバ製品としてのアプライアンスでの提供や、クラウドで利用できる場合もあります。従来のPBXのように拠点ごとに主装置を置く必要はなく、IPネットワークで拠点間をつなぐことができます。

インターネット回線を使用するため、電話の移動は社内LANの差し替えで済み、内線番号の変更も必要ありません。導入できる電話機はIP電話機(オフィス向けの多機能電話機)のほか、パソコンを利用できるソフトフォン、アプリのインストールやFMCサービス利用によるスマートフォン内線化ができるものがあります。

形があるIP-PBX、形のないIP-PBX

IP-PBXは、交換機ベースの「ハードウェアタイプ」、サーバベースの「ソフトウェアタイプ」に大別されます。

ハードウェアタイプ

PBXの専用機を設置して使用するタイプです。従来のPBXに比べて小型で、専用機は電話交換に加えルータ機能なども備えています。オフィスの電話の数を増やす際、同じハードウェアのPBXをそのまま追加するか、収容台数の多いPBXに変更する必要があるかは、メーカーによって異なります。

ソフトウェアタイプ

IP-PBXのソフトウェアをインストールして使用するタイプです。物理的な主装置は存在しないため、システム導入に時間がかからないことがポイントです。主装置と電話工事が必要なく、初期費用も比較的安いのが特徴です。システムの改善はソフトウェアのアップデートで行えるため、老朽化することもありません。

まとめ

電話という形あるシステムは、より柔軟で便利な形態へと変化しています。電話設備の刷新で、オフィスの経費を大きく削減することも可能です。オフィスの規模や業務に適したIP-PBXの導入を、検討してみてはいかがでしょうか。

カテゴリ:お役立ち情報

  • はてなブックマークに追加