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IP-PBXのメリット・デメリット

IP-PBXの導入を検討する際に、必ず押さえておきたいのがメリット・デメリット。ここでは、IP-PBXのメリット・デメリットをレガシー(従来の)PBXと比較しながら紹介します。
目次
- 1.IP-PBXのメリット
- 初期費用が安く、導入しやすい
- ランニングコストを削減できる
- 管理・運用が簡単
- 簡単かつ低コストでカスタマイズができる
- 2.IP-PBXのデメリット
- IP電話を乗っ取られる可能性がある
- 3.まとめ
IP-PBXのメリット
初期費用が安く、導入しやすい
レガシーPBXと比べて、簡単かつ低コストで導入できるのがIP-PBXの魅力です。IP-PBXはインターネット回線を利用するので、社内LANに接続するだけで内線電話網が構築できます。電話線は使わないので、配線工事も不要です。レガシーPBXは拠点ごとに主装置を設置しないと内線をつなげませんが、IP-PBXの場合、IPネットワークで拠点間をつなげるため、拠点すべてに主装置を設置する必要はありません。
このように、IP-PBXの導入には今まで必要だった高額な電話工事や主装置が不要なので、レガシーPBXと比べて初期導入コストを大幅に抑えることができます。
ランニングコストを削減できる
IP電話の場合、日本国内であればどこにかけても通話料金は一律です。さらに、アプリケーションのインストール、もしくはFMCサービスを利用することでスマートフォンを内線化することもできます。社員との通話に外線を使う必要がなくなり経費を抑えられるほか、外出先でも会社の電話番号で発着信できるというメリットもあります。
また、IPネットワークがつながる環境であれば世界中どこでも内線化できます。海外の拠点とも内線でやりとりできるので、通信コストを気にする必要はありません。一方、レガシーPBXは電話線が届く範囲でしか内線をつなげないため、遠方や海外への通話料金は割高になります。スマートフォン内線化は、電話線を使用するレガシーPBXではそもそも想定されていない、IP-PBXならではの技術です。
管理・運用が簡単
IP-PBXはPCで管理できるので、従来のPBXに比べて管理が簡単です。レガシーPBXの場合、席替えをするたびに内線番号を変更しなければなりませんが、IP-PBXは、電話機一つひとつにIPアドレスを割り当てているので、オフィスのどこからでも同じ内線番号で利用できます。内線番号を変える必要がないので、オフィスのレイアウト変更や席替の際も、LANケーブルの差し替えだけで済みます。
また、運用が簡単なこともメリットの1つです。レガシーPBXは、主装置の操作は「工事担任者資格」を持つ人が行うか監督をする必要があり、設定を変更する際は専門の業者に依頼しなければなりませんでした。IP-PBXの場合は電話線や主装置の操作は不要で、Webから管理画面にアクセスできる製品があります。
簡単かつ低コストでカスタマイズができる
簡単に機能を拡張できることもIP-PBXのメリットです。PCと電話システムを連動させることにより、着信時にCRMの情報を表示するCTI機能などを使うことができます。また、比較的容易にコールセンターの構築が可能です。着信の自動振り分けや自動音声応答、通話録音など、オフィス、コールセンターのどちらにも適したIP-PBXもあります。標準搭載・オプション機能の内容や容量は、製品やサーバによって異なりますので、オフィスに適した製品を選びましょう。
これらの機能追加や変更もWebから管理画面にアクセスして行ったり、ライセンスや機器の追加購入をしたりすれば、業者に依頼せずにカスタマイズを完了させることも可能です。電話システムを運用しながらオフィスのニーズに適した機能を選択できれば、業務の効率化にもつながります。
IP-PBXのデメリット
IP電話を乗っ取られる可能性がある
IP-PBXは「IP電話ハッキング(乗っ取り)」のリスクがあります。IP電話を乗っ取られると第三者に勝手に国際電話をかけられ、電話会社から高額な通話料金が請求される可能性があります。ルータやPBXの設定の問題点や、セキュリティ上の脆弱性を突いて侵入するのが一般的で、乗っ取られたことに気づきにくいのがこの手口の怖い点です。わずか数日間の乗っ取りでも、被害額が数百万円にのぼるケースもあります。
レガシーPBXは電話線を利用するため乗っ取られる心配はありませんでしたが、IP-PBXではインターネット回線を使用していることで、従来にはなかった特徴の一つとしてのデメリットといえます。セキュリティ面で新たな不安が生じたかたちですが、事前に対策を講じることで安全性を高めることができます。
安心できる環境構築を提案してもらう
IP-PBX導入時に、セキュリティで気をつけるべきポイントや、ネットワークの脆弱性がないか相談し、不正アクセスを受けにくい社内ネットワークを構築します。スマートフォン内線化の場合は、社内のWi-Fiを利用する場合としない場合のセキュリティ対策を考える必要があります。環境構築について丁寧に説明し、相談に応じてくれる、信頼できるメーカーやベンダーを見つけましょう。
ルータやIP-PBXの設定を確認する
PBXやルータの設定が、外部からの接続が禁止になっているかどうかをチェックし、不要な接続環境は削除しましょう。国際発信規制の設定も効果的です。
ルータやIP-PBXのID、パスワードも確認しましょう。初期状態のID、パスワードのまま使用を続けているのは危険です。第三者に推測されにくい、複雑なID、パスワードへ設定し直しましょう。定期的にパスワードを変更することで不正アクセスのリスクはさらに減少します。
国際電話の利用を停止する
国際電話の利用を停止してしまえば、不正にアクセスされても国際電話をかけられる心配はありません。不正アクセスを防ぐ効果はありませんが、被害を抑えるという点では有効です。国際電話の利用を停止するとすべての拠点で海外への発信ができなくなります。利用を開始する際は手続きが必要な上に、すぐには国際電話を再開できないので注意しましょう。
従来より手軽に導入・運用できるIP-PBXですが、IDやパスワード、通話の利用範囲やアクセスの権限などは、確認を怠らないことが肝心です。
まとめ
IP-PBXには、設置・運用ともに大掛かりで気軽に設定変更できなかったレガシーPBXと異なり、経費を抑えながら導入し、カスタマイズなどができるというメリットがあります。一方、インターネットを利用する新しい技術ゆえに、従来にはない弱点で注意が必要な場面もあります。IP-PBXのメリットを実感するためにも、リスクを知ることで先回りの対策を講じ、より安全で快適な運用を心がけましょう。
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