複数拠点を内線化して通信コストを削減!

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複数の拠点を抱えている企業において、拠点間の通信コスト削減は重要な課題です。
本記事では、IP-PBX導入による複数拠点の内線化について紹介します。

目次

複数拠点を内線化

IP-PBXはIPネットワーク(インターネット)上で稼働する構内交換機であり、IPネットワークを利用することで電話とパソコンの通信を社内LANに一本化できます。電話の配線が届く一つのオフィス内だけではなく、IPネットワークで拠点間をつなぎ、複数のオフィスにまたがった内線網を構築することが可能です。

IPネットワークに接続できる場所であれば、国内はもちろん海外拠点との内線通話も可能です。またどこの拠点からでも、東京「03」の電話番号で発着信することもできます。

従来、拠点間のやりとりは外線通話だったため料金が発生していましたが、拠点間を内線化することで通話料がかからず、社内の通信コストを省くことができます。内線化を物理的な配線に頼らないため、IP-PBXの主装置はネットワーク内の1カ所に設置するだけで済みます。そのため、拠点ごとに主装置を置き、配線工事を行う従来のPBXと比べ、導入コストも抑えることができます。これらの効果が見込めることから、今後の拠点拡大を目指している企業にもおすすめです。

内線化の仕組み

IP-PBXをIP-VPNで接続することで、複数の拠点を内線化し、1つの主装置で運用することができます。IP-VPNは、キャリアの提供する回線を利用し、組織内ネットワークを構築する方法であるVPN(Virtual Private Network、仮想専用ネットワーク)の1つで、IPネットワークによりLANを接続しています。

外部からアクセスできないクローズドの回線網となるため管理しやすく、暗号化することでさらにセキュリティを強化できます。

コスト削減例

本社と複数の支店の通信コストを抑える

「業務の中心を担う本社と、人数が少なく主に販売を担う4つの支店があります。従来の電話システムでは支店の内線化ができず、PBX主装置を5つも設置するのは負担だったため、本社とのやりとりを全て携帯電話で行っていました。そのため通信コストはなかなか下がらないままでした。

本社の組織変更に伴い電話システムを刷新し、IP-PBXを導入したことで、それまで利用していたインターネット回線と電話システムを統合できました。スマートフォンの内線化も実施したことで社内の通話はすべて無料になり、通信コストが半分程度になりました。支店にはもともとあったLANに接続した電話機1台と、人数分のスマホを支給し、作業中・デスクワークに関わらず円滑にコミュニケーションが取れています」

スマートフォン内線化も可能

IP-PBXを導入すれば、拠点間を内線化するだけではなく、スマートフォンを内線端末として利用することもできます。通話料の削減につながるほか、社外からでも会社の電話番号で通話ができるため、顧客対応の円滑化が期待できます。

内線化には専用のアプリをインストールする方法と、キャリアが提供するFMCのサービスを利用する方法の2つがあります。内線化により活用できる機能には、以下のような例があります。

①社外での内線通話

スマホを内線化することで、社内外問わず内線通話が可能になります。スマホへの外線通話がなくなることで、大幅な通信コスト削減につながります。業務で個人のスマホを利用する場合でも、私用の通話と完全に区別することができ、効率的です。

②保留・転送

オフィスの固定電話と同様に、保留や転送を行います。製品によっては内線化されたスマホへの着信でも、パーク保留での取り次ぎが可能です。外出する社員が多くても内線として保留・転送ができるため、不在時の伝達ミスをあらかじめなくすことができます。

③会社の電話番号で発着信

内線化することで、スマホから会社の電話番号で発信することができます。取引先への折り返しなど、スマホの電話番号ではなく会社の連絡先で対応したい場合に最適です。

柔軟な拡張性で投資を最適化

コスト面だけではなく、拡張性でもIP-PBXは優れています。従来の電話線では、一度に増やせる通話数が決まっているため、必要な分だけを追加することが難しく、無駄なコストが生じることがあります。一方、IPネットワークを利用したIP-PBXの場合、ユーザ数に合わせてライセンスを購入できるため、過剰な投資をせずに済みます。

ただし、製品によって電話機の最大搭載数が異なるので注意が必要です。ハードウェア型には物理的な制約がありますが、ソフトウェア型ではアップデートによる機能改善が可能なため、より柔軟な運用が期待できます。

まとめ

複数拠点を結ぶ内線のネットワーク構築は、大幅な通信コストの削減をもたらします。2つ以上の拠点があるか、将来的に展開する場合には、拠点間の内線化を検討してみてはいかがでしょうか。

カテゴリ:お役立ち情報

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